2023年12月04日
あらゆるひとが悲嘆とともにあった戦後『ゴジラ-1.0』
まいど。
人生の午後をおもしろおかしく暮らす、つるたやです。
以前も書きましたが、ワタクシ、近年は映画、そんなに観る方じゃないんですよ。
SF好きを公言してはいますが、いわゆる怪獣特撮は苦手と言ってもいいくらいです。
歳がアレなもので、わりと初期の特撮テレビ番組の洗礼は受けていますが、
なんかチープな特撮部分がけっこう苦手で、連帯してチャンネル権を主張する弟たちが
いなかったら、ほとんど見なかったんじゃないかって気がします。
劇場で観た怪獣特撮って多分「平成ガメラ三部作」「GODZILLA」「ゴジラ FINAL WARS」
「シン・ゴジラ」くらいですかね、ほとんど監督の名前で観てますねー。
そんなワタクシですが「シン・ゴジラ」の評価は高く、劇場で見たときに、
これはこのあとゴジラ撮れないんじゃ?って思ったくらいです。
でもまあよく考えると「シン・ゴジラ」はなんか別カテゴリって気がするので、
いったん忘れましょう。
本作で、佐々木蔵之介扮する機雷処理班長が「この国は変わらないなあ。
いや、変われないのか」とお国への心情を吐露するシーンがありますが、
まんまゴジラシリーズに対するワタクシの印象だったと言えるでしょう。
なので最初にゴメンナサイしておきます。
ホント面白かったです「ゴジラ-1.0」。
いや、面白いって噂も聞こえてきてはいたんですよ。
それでも食指が動かなったのは、NHKの朝ドラ見てたのも関係あるかもしれません。
よりによって、主人公とヒロインがまるかぶり、って、そんなんアリ?って思いますよね?
(実際はゴジラのキャスティングの方が先だったらしいです)
それでもワタクシが劇場に足を運んだのは、誰かが、
「ゴジラ-1.0のテーマはグリーフケアだ」とかなんとか、
書いているのをネットでみかけたからなのです。
以下、感想です。
始まって早々、特攻しないで基地に帰った神木隆之介が、
突如現れたゴジラにけちょんけちょんにされつつ、整備員青木崇高と確執、
復員したらしたで近所のおばさん安藤サクラにからまれて、
闇市行ったら子連れの浜辺美波に居候される、って朝ドラ主演級のキャストが
これでもかと主人公受難のコンボを決めてきます。
でも、なんじゃこりゃ、と思うそばから、彼らの演技に圧倒されていました。
役者さんってすごいなー、と素直に思いました。
そして、もう1つの懸念材料だった特撮も、とても良かったです。
ゴジラは徹底的にローアングルで映して、全体を見せすぎない。
で、ゴジラと同じだけ、向き合っているヒトにも尺を使う。
時代背景に合わせた街なんかの描写はさすがの「三丁目の夕日」監督だと思いました。
物語としては、スタンダードな怪獣映画のストーリー展開で、
まあ、怪獣現る、ひどい目に遭う、対抗手段練る、やっつける、です。
しかしそこに、戦禍を生き残り敗戦を迎えた人々のドラマがからむんで、
今までの怪獣特撮とは、だいぶ違ったテイストが出たのは間違いないと思います。
で、肝心のテーマ、です。
日本中の誰もがグリーフを抱えていた終戦直後、主人公はひときわ大きな悲嘆とともにありました。
それでもなんとかそこを飲み込んで生きようとしたところで、ゴジラによる被災という形で、
親しい者の死が再演されてしまいます。
自分が安穏と生きることは許されないのだと感じた主人公は、ゴジラという
~悲嘆をもたらすもの~、災害の象徴と向き合い、己が身命を賭して闘うことを決意します。
もちろん、それをグリーフケアの物語と読んでもよいと思うのですが、
映画の終盤で、重巡洋艦の乗員たち全員が、海に沈みゆくゴジラに敬礼する姿を見たときに、
彼らはどんな気持ちであろうかと、思わずにはいられませんでした。
わだつみ作戦の従事者は、全てを捨てるという決意も空しく敗戦を迎えてしまった
元軍人たちです。
彼ら全員が抱えていたであろうやりきれない思いを、抗えない運命の象徴である
ゴジラにぶつけることで、過去を振り切り、新しく前に踏み出す一歩とする。
そんな再生の物語でもあるように、ワタクシには感じられました。
というわけで、令和のゴジラには今までとは違う物語があるのかもしれません。
(当然あるでしょう)次回作以降も、ちょっと期待できるのかもしれないな、と思った次第です。
んでわ。
2023年11月30日
『同じ業界の人にCC協会のロールプレイ勉強会を勧めるとしたら』「聴くチカラ応援団」メンバーへのアンケート4
まいど。
人生の午後をおもしろおかしく暮らす、つるたやです。
●前回までのあらすじ
IT企業のブラックさに辟易してカウンセラーを志し、傾聴を学び、
安さに釣られてCC協会の勉強会に参加、気づけばスキルアップだけでなく、
ステージアップもしていたが、それは体制に取り込まれることでもあった。
必然的にせねばならなぬぞ!宣伝を。どうする?つるたや!
■つるたやのヒミツそのよん:
Q:『同じ職場、同じ業界の人にCC協会のロールプレイ勉強会を
勧めるとしたらどの点を伝えたいですか?』
A:IT業界で30年ほど働いたワタクシも、今や同じ業界、というなら
カウンセラーとかですかねえ。
ワタクシもそうでしたが、産業カウンセラーの資格って、取ったところで、
すぐ仕事ができるわけではないんですよね。
理由の1つが、経験不足とそれに起因する自信の無さです。もちろんコネも無いけど、
資格取るまでのカリキュラムだけでは、経験が全く足りていないんですよ。
(産業カウンセラー)協会だって資格取ったからっていきなりカウンセラー名乗って
仕事するなって言ってる。
でも、じゃあどうやってその経験を積めばいいのか?ってなります。
CC協会の勉強会はそういう最初の壁をこえるお手伝いをしてくれます。
ビギナーやリハビリに最適な無料の勉強会から、平日夜・土曜昼と月に二回ある
(コスパの良い)勉強会、自分の聴くチカラを試せる年4期ある検定向けクラス、
とワタクシ達それぞれに応じたニーズを満たせる豊富な機会が、
まあ、詳しくはコチラをご覧ください。
でも本当にコレを伝えたいのは昔いた業界ですね。
皆が人の話を聴くことをもっとうまくできたら…って心から思います。
あ、企業研修も承りますよ。もちろん格安で。
んでわ。
2023年11月29日
有神論vsアニミズム『ザ・クリエイター/創造者』からの妄言連想2
まいど。
人生の午後をおもしろおかしく暮らす、つるたやです。
ちょっと前に
『ザ・クリエイター/創造者』を観て、色んな過去(の作品)が
頭をよぎったーんだぜー
、ってお話と、
よぎったそのいち「人間とロボットがコンビを組んで行動する物語」をネタに妄言を
書きましたが、今回はよぎったそのに「宗教的なの?」をネタに書いちゃいます。
普段、SNSと飲み屋では宗教と政治のネタは自粛しているワタクシですが、
自身の信条を語るとか、そういうわけではないので、まあいいか、ってことで。
さて、実はこの作品、主要登場人物の名前からして、あからさまに宗教に
関係してそうなネーミングです。
まず主人公ジョシュアはイエスの英語読みだそうです。
そしてそのジョシュアは発見したAIの少女にアルファ・オメガの刻印が
あることから、アルフィーと名付けます。
「アルファでありオメガである」という言葉が新約聖書ヨハネの黙示録にありますが、
これは、神またはキリストの神性を意味します。
つまり、ニューアジアのニルマータ(ネパール語で創造者)が、神に等しい存在を作った、
とも取れます。
一方、アルフィーのコピー元(どうもこの世界のAIとは、人間をコピーして作るらしいです)の
母の名前はマヤ、これはブッダの母の名前とされている“摩耶”(諸説アリ)からでしょう。
この作品世界では、AIを敵視し排斥しようとするアメリカと、AIと共存するニューアジアという
わかりやすい対立を描いていますが、そのままキリスト教世界VSその他の世界、
という構図にもなっています。
AIにとっての救世主と思われるニューアジアのアルフィーは、キリスト教側からすると
キリストに偽装して人を惑わす者=反キリストそのものです。
そう考えると、アメリカ側がアルフィーを執拗に追う理由も腑に落ちる気がします。
しかしAIの開発した最新兵器だから潜んでそうな周辺全部焼き尽くす、とか、
幼いイエスを殺そうとしたヘロデ王でもそこまではしてないぞ。
まあ、そもそも人間を作っていいのは神だけである、というスタンスをとる宗教は、
ヒト型人工知能とは相性が悪いです。
対して、アジア諸国はアニミズム(すべてのものの中に霊魂もしくは霊が宿っているという考え方)
との親和性が高いです。日本なんて、そのへんにある器物でさえ100年経ったら動き出しますからねえ。
ましてやヒト型ロボットなんてそりゃすぐに友人になりますよねえ。