2023年11月13日

2023年11月13日

細かすぎて伝わらない「喪の作業」の蘊蓄

まいど。
 人生の午後をおもしろおかしく暮らす、つるたやです。

 「喪の作業」って言葉、ご存じでしょうか?
 愛着や依存の対象を喪失することにより生じる心理的な過程を
喪の作業(“ものさぎょう”と読みます)といいます。
 グリーフケアの源流、とでもいうべき概念だと思います。

 提唱したのは、あのフロイト大先生です。
 なので、なんと100年以上前のことです。

nigaoe_freud
 (まさかフロイト大先生の絵まであるなんて…いらすとやサンすごいな)

 この言葉は、元々“trauerarbeit”というドイツ語なのですが、
英訳されたときに“mourning work”と訳されました。
 で、ここで微妙なニュアンスの違いが発生した、という説があります。
 実際ドイツ語“trauer”には英語の“grief/悲痛”が訳語として一番に上がるようです。

 フロイト大先生が“trauerarbeit”について論じている著書「Trauer und Melancholie」ですが、
本邦でも昔は「悲哀とメランコリー」と訳されることがあったのが、近年ではすっかり
「喪とメランコリー」が主流のようです。あれー?

 確かにグリーフケアの活動では、圧倒的に死別体験者が対象になっています。
 とはいえグリーフは“喪”に限定するものではないので、自分的には
リンデマン先生のおしゃる「grief work」の方がピンとくるな、と思っています。

んでわ。