コードネームは「セブンビーチ」盛岡めんこい横丁、小吃店のじゃじゃ麺(とーほぐ味紀行3)

2024年07月17日

SF御三家何を読む? 星新一の巻

まいど。
 人生の午後をおもしろおかしく暮らす、つるたやです。
 
 3回限定「SF御三家何を読む?」シリーズ第二回は、
ワタクシが御三家の中で一番好きな“星新一”です。

 実は“小松左京”に関しては、数えるほどしか読んでいないので
ナニを紹介するか困っているのですが、“星新一”については
ドレを紹介するか迷っているくらいイイ作品が多いです。

 イイ、といっても、ほとんどがショートショートですから、
ほぼアイディア勝負なのですが、SFとミステリで一番大事なのは
そこだと思っています。

 ちなみに好きな作品をざらっと挙げますと、
「ボッコちゃん」「生活維持省」「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」
「鏡」「親善キッス」「午後の恐竜」などなど。

 この中で一作選ぶなら、「午後の恐竜」でしょうか。

 でも今回紹介するのはコレ。


 声の網/星新一

★ざっくりしょうかい
 本作は、とある未来のメロン・マンションという建物の一室に、
正体不明の人物から電話がかかってくることから発生する
12の事件を12の短編として描いた、連絡短編である。

 電話の内容は強盗の予告だったり、個人情報の暴露だったり、
それぞれの部屋の主に関わる事件であるが、登場する未来の
ガジェット(小道具・小物)が発表年の1970年から50年以上経った
現代でこそ“思い至る”という、まさに“予見の書”と言える。

---

 星新一のショートショートで有名な冒頭のフレーズに、
「ドアにノックの音がした」
 というのがあるんですが、本作ではそれが全て電話なのです。

 “声の網”というタイトルに込められた作者の趣向を感じますが、
現代に生きるワタクシたちは、それ以上に「網」という言葉に
反応してしまいます。

 そう、本作は70年代にネット社会を予見した作品なのです。

 未来の予見、という点においては、ワタクシが尊敬する
ヒューゴー・ガーンズバック大先生(※1)にも引けを取らない、
というか、物語としてのガジェットの必然性については
それを凌駕しているんじゃないだろうか?

 星新一は、時代や状況に左右されない作品を目指していた
ということで、古い表現などはどんどん変えていたらしいです。

 そんな姿勢が、50年経っても古さを感じない作品を
生んでいるのかもしれません。

んでわ。

※1:ヒューゴー・ガーンズバック
アメリカ合衆国の発明家、著作家、雑誌出版者・編集者であり、
世界で初めてSF雑誌を出版したスゴイ(語彙)ひと。

H・G・ウェルズやジュール・ヴェルヌと並び「SFの父」と呼ばれるが、
父が三人いるあたりすでにSFである。

ちなみに寡聞にして「SFの母」は知らないが、メアリー・シェリー
一択だよね。あ、三人の父よか断然先だw

さておき、ガーンズバックが自身の雑誌に、穴埋め用の代理原稿で書いた
「ラルフ124C41+」( 中学生の時にジュブナイルで読んだときの邦題は
「2600年のロマンス」w)に登場するアイテムが1925年当時としては
どれも妥当性のある未来の技術でスゴイ(語彙)。

 植物を急成長させる農場、電気自動車、ソーラーパネル、レーダー、
テレビはさておきテレビ電話、人造食品、大陸を横断航空業務などなど、
とにかくスゴイ(語彙)。


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